2016〜2017年シーズンに観たオフ・ブロードウェイミュージカルのレポをもう一つ。リック・リオーダンの小説『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』シリーズの第1部『盗まれた雷撃』を原作としたキッズ・ティーン向けミュージカル。ドラマデスク賞のミュージカル作品賞部門では、『恋はデジャ・ブ』や『バンドスタンド』を押さえてノミネートを得た作品です。
2017年4月4日(プレビューは3月23日開始)〜5月7日までルシル・ローテル劇場というオフ・ブロードウェイの劇場にて上演されていた作品で、すでにクローズしてしまいましたが、せっかくなのでメモ。
短期公演だったのであまりマークしておらず、この公演の存在に気付いたのはなんと千秋楽の約1週間前。キッズ・ティーン向けミュージカルではありますが、評判も良くクオリティも高いと聞いていたので、「観れたらラッキー」という気持ちでラッシュチケットを狙って行ってみました。
オフ・ブロードウェイでラッシュにトライするのは初。劇場がタイムズスクエアからは離れた場所にあったり、劇場の窓口が開く時間がブロードウェイの劇場と違っていたり、いつもと勝手が違う・・。結局、窓口が開く30分前くらいに着きましたが、残念ながら2人前でラッシュチケットが売り切れてしまうという事態に。しかも通常の座席は完売。
でも、親切な窓口の人の柔軟な対応により、ウェイトリストに名前を載せてもらえることになりました。ウェイトリストなんてブロードウェイの劇場では聞いたことがありませんが・・。
言われた通り開演の30分前に窓口へ行くと、「うーん、売ってあげられるか微妙だけど、もうちょっと待って」とのこと。冷や冷やしながら開演5分前まで待ちました。この上なく心臓には悪かったですが、結果的には押さえ席だったと思われる席を開演ギリギリにラッシュチケット価格で解放してもらえ、申し訳ないくらい良い席で観ることができました。
7人キャストと2〜3人のバンド。セットも簡素で、悪役をトイレットペーパー噴射機でやっつけている。(苦笑)少々チープな感じはしましたが、結果的にはウケている。こういうのもアリだと思ったし、何より、無防備だった私はこぢんまりとした劇場で全力のパフォーマンスでぶつかってきてくれるカンパニーに圧倒されました。特に、アナベス役のクリスティン・ストークス(Kristin Stokes)のソロ曲 “My Grand Plan” が、メロディー的にも内容的にもストライクゾーンにハマり、7月に発売されたキャストレコーディングを買って、リピートしています。
ちなみに “My Grand Plan” には “rise up” という歌詞が出てくるのですが、それがあの大ヒットミュージカル『ハミルトン』の “My Shot” の歌詞を彷彿させるようで、一部の人の間でちょっとだけ話題になったよう。
パワフルなパフォーマンスで客席の親子や学生団体は大盛り上がり。とても楽しい体験ができました。観てよかった!
2016〜2017年シーズンのブロードウェイ感想はこちらへ。