日本版ミュージカル『マディソン郡の橋』The Bridges of Madison Countyが開幕しました。ミュージカル『マディソン郡の橋』の売りは何といっても音楽です。
2014年のトニー賞では楽曲賞と編曲賞をはじめ、ドラマデスク賞、アウタークリティクスサークル賞でも作曲、編曲、楽曲などの音楽関係の受賞がズラリ。作詞・作曲は『パレード』のジェイソン・ロバート・ブラウンです。それでは、いつもどおり米国Apple Storeのランキングを使って、人気ナンバーをチェック。
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- One Second and a Million Miles (17曲目) ロバート&フランチェスカ
- It All Fades Away (19曲目) ロバート
- Another Life (6曲目) マリアン
- To Build a Home (1曲目) フランチェスカ&カンパニー
- Falling into You (12曲目) ロバート&フランチェスカ
- Almost Real (15曲目) フランチェスカ
(2018年3月2日調べ)
1位のOne Second and a Million Milesはロバート(日本版では山口祐一郎さん)とフランチェスカ(涼風真世さん)のデュエット。
2位のIt All Fades Awayはロバート(山口祐一郎さん)のソロ。後半で一際目立つ一曲なので「おぉっ!なんだこの曲は!!」と思う人が多いのではないかと思います。
1位と2位は僅差。3位を結構離していたので、やっぱりこの2曲がみなさん好きなんですね。多分これはブロードウェイ版、日本語版に関わらずだと思います。
3位はロバートの元妻であるフォーク歌手のマリアン(彩乃かなみさん)が歌うAnother Lifeという曲。
4位の To Build a Homeはオープニング。フランチェスカ役ブロードウェイ・オリジナルキャストのケリー・オハラさんが『トニー賞コンサート in TOKYO』で披露されていた曲です。
こうしてみると、フランチェスカに魅力的なソロナンバーが少ないように感じるのですが、多分それはロバートのIt All Fades Awayが良すぎるからかしら・・。Youtubeで検索すると、サットン・フォスターやラミン・カリムルーが歌っている動画も出てきますよ。日本でもコンサートで歌う人が出てくるかも。
先ほどTo Build a Homeをケリーさんが『トニー賞コンサート in TOKYO』で歌われたと書きましたが、実はこの『マディソン郡の橋』、本場のトニー賞授賞式ではパフォーマンス披露がなかった作品なのです。(涙)というのも、『マディソン郡の橋』のブロードウェイ公演は2014年1月からプレビューが始まったのですが、トニー賞4部門のノミネートも虚しく、授賞式の3週間前にクローズしてしまったから。
上演回数・興行収入という意味ではブロードウェイの失敗作として名を刻んでしまった『マディソン郡の橋』ですが、それでもロマンチックで美しい楽曲に対してはブロードウェイの劇評もとても好意的でした。ブロードウェイ公演がクローズした後、米国ツアー、フィリピン、韓国、オランダなどでも上演されています。
日本版の広告写真がブロードウェイ版のCDのジャケットとは全く異なることからもわかるように、日本版は山口祐一郎さんと涼風真世さん主演で独自路線を追求してますね。(ブロードウェイ主演の2人は当時30代だったような・・。)
左がブロードウェイ版CD、右が楽譜。
日本版はオーケストラピットのないシアタークリエでの上演なので、劇中はオーケストラが全く見えません。でも、本編終了後、カーテンコールの最初が「オケ主役!」という感じがしてなかなか感動的でした。
『マディソン郡の橋』の楽曲、これから観劇される方はお楽しみに!