少し前の話になります。『ハミルトン』ブロードウェイ公演でハミルトン役を務めていたハビエル・ムニョス(Javier Muñoz)が自身の最終公演を終えました。2015年8月の開幕当初から『ハミルトン』に出演していたキャストの最後の1人でした。
Today we bid farewell to one of our original Alexander Hamiltons, @JMunozActor. We’re celebrating his time with the show by looking back at his journey with Hamilton. #OneLastTime pic.twitter.com/BKvAKCORJm
— Hamilton (@HamiltonMusical) 2018年1月14日
ハビエルはブロードウェイ公演の開幕当初から『ハミルトン』キャストの一員でしたが、リン=マニュエル・ミランダが2016年7月10日にカンパニーを去るまでの間は、ハミルトン役のalternateとしてリン=マニュエル・ミランダが出演しない曜日のみに出演していました。alternate(アルタネート)はunderstudy(アンダースタディ)とは異なり、出演回数こそ少ないものの、出演することが前提のキャストです。playbillにもunderstudyではなくalternateと載ります。。
ハビエルがリン=マニュエル・ミランダのalternateを務めるのは『イン・ザ・ハイツ』に続き二度目。ハビエルは『ハミルトン』のブロードウェイ公演中に膵臓がんの治療を受けていましたが、体調が優れないハビエルの代わりにリン=マニュエル・ミランダが舞台に立ったこともありました。
リンは、
It’s the rare star who covers for his own understudy.
(代役をカバーするスター)
と言われましたが、それくらい2人の絆は深いのです。別の要員を連れてくることもできただろうに、演出家のトーマス・カイルは、
Javi’s not the alternate — he is Hamilton on Sundays.
(ハビは交代要員じゃない。日曜日のハミルトンだ。)
と言ったそうです。
(Barbara Hoffman, ‘Hamilton’ star’s secret cancer struggle, New York Post, March 18, 2016)
カンパニーの間ではハビエルもオリジナルキャストの1人。2016年トニー賞授賞式のフィナーレでは他のキャストと一緒に舞台に上がって踊っていましたし、『ハミルトン』ができるまでを追った本でも、ハビエル・ムニョスのページがちゃんとありました。
ハビエルの最終公演の日、アーロン・バー役オリジナルキャストのレスリー・オドム・ジュニアがインスタに昔の写真をアップ。 “The last of us” だって。優しいな。
他にも、アンジェリカ役オリジナルキャストのレネー・エリス・ゴールズベリーが卒業を祝うツィートを。
Happy trails、ハビエル。お疲れさまでした。