かなり時間が経ってしまいましたが、2016〜2017年シーズンに観たオフ・ブロードウェイ作のレポを一つ。『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』でちょっぴり有名になった客席融合型(イマーシブ)の類いのオフ・ブロードウェイ作品。現地のファンの間で話題になっている『スウィーニー・トッド』です。
評判がよかったロンドンプロダクションからのトランスファー。今観るべきイマーシブ・シアターといったらコレ!!ズバリ、『ハミルトン』の演出家のトーマス・カイルが「観てくれる人がいればどこでもシアターになる」と言っていたのをこの作品を観て思い出しました。
日本も含め世界各地で何度も上演されている演目ではあるものの、今回のオフ・ブロードウェイ公演はブロードウェイの劇場街からは少し離れたところにある、普通すぎる建物の普通すぎる一室で繰り広げられます。いわゆるステージのような場所はない。あるのはカウンターとちょっとした階段。カフェテリアのようなこぢんまりとした一室で行われるのは超本格的なパフォーマンス。これまでの「シアター」の概念が覆されるようなイマーシブプロダクションでした!!
キャストもハズレなし。100人強の観客のために全力で演じてくれるなんて、本当に贅沢。マイクは多分使用していなかったと思います。割引ルートに出回っているブロードウェイチケットよりもよっぽど高価ですが、その価値があります。
チケットを購入するときに「パイ付き」を選ぶと、開演前にミートパイ(または野菜パイ)とマッシュポテトとドリンクがサーブされます。私はテーブル席だったので、自分の席でいただきました。ボリュームがあるので夕食にもぴったり。
ちなみにこの公演の会場は普通のシアター形式ではないため、席によって見え方がかなり変わります。好みは人それぞれだと思いますが、せっかくこのプロダクションを観るなら、個人的には是非1階の特にテーブル席に座ることをオススメします。キャストがテーブルに上って歌ったり目を合わせたりしてくれるし、テーブルを通路代わりにしてドタドタと走り回っていて、すんごい迫力でした。
チケットを取るときは、座席位置や座る向きに気を付けて、選んで買ってください。以下にヒントを。
- パイカウンターと、パイカウンターとオケの間で行われるシーンが多い。
- テーブル席の椅子は正面を向いていないので、座席の向きに注意。壁寄りのテーブルで壁側を向いて座ってしまうと、首を回して中央側を見なければならないのでかなり疲れると思われる。
私は4つあるテーブルのうち、下手(ステージに向かって左側)から2つ目のテーブルの下手向きの席に座りました。パイカウンターとオケの間で行われるシーンの時は身体の向きを変えて首を回さないと多少見づらかったですが、パイカウンター方向はとても見やすかったし、会場のど真ん中でイマーシブシアターを体験するにはもってこいの席だったので満足しています。
逆にそんなに近くで観たくないという方や、楽に腰掛けて遠目から眺めていたいという人には1階後方カウンター席がオススメ。抽選チケット(Lottery)はToday Tixから申し込めます。座席は2階の見切れ席という噂。
2016〜2017年シーズンのブロードウェイ感想はこちらへ。