ブロードウェイの『カラーパープル』(The Color Purple)が1月8日に千秋楽を迎えました。
2015〜2016年シーズンは『ハミルトン』(Hamilton)の話題で持ちきりでしたが、その傍らで根強い人気があったのが、『カラーパープル』だったように思います。題材は強くないといわれているものの、魂のこもったキャストのパフォーマンスには一見の価値がありました。
また、本作で誕生したシンシア・エリヴォ(Cynthia Erivo)というスターは、『ハミルトン』に負けないくらい2016年のブロードウェイを盛り上げた人です。千秋楽公演の “I’m Here” という彼女のソロナンバーは、1曲丸ごとプロダクションの公式フェイスブックで生中継されました。本人自らツイッターで「観てね」と宣伝。いつも以上に感情が乗っている前半も、再び歌い出したときの微かな声も、とても素敵です。ありのままの姿で舞台に立つ彼女が好き・・。
LIVE: Watch my final performance of “I’m Here” in @BwayColorPurple now on Facebook! https://t.co/MJ8e6QhJ7z
— Cynthia Erivo (@CynthiaEriVo) 2017年1月8日
彼女が “I’m Here” を歌った後には、千秋楽でなくてもスタンディングオベーションが起こります。舞台の進行の妨げになったり、集中力が途切れたりしていないのかな・・と思っていましたが、彼女はインタビューではっきりと「自然に起きた反応なら、それはとても嬉しい」と言っていました。
動画ではわかりにくいのですが、聞くところによれば、この日の彼女は “I’m Here” を歌いながら舞台上で滝のように泣いていたそうです。歌えなくなった彼女に対して贈られたスタンディングオベーション。舞台上と客席がコミュニケーションを取れている空間・・。私もその場にいたかったな。
千秋楽当日は彼女の誕生日でもあり、さらにはヒラリー・クリントンも来場するなど、最後の最後まで話題が尽きなかった『カラーパープル』。
この公演が千秋楽を迎えたことによって、2015〜2016年シーズンのミュージカルで現在も上演中なのは、『ハミルトン』、『スクール・オブ・ロック』(Scool of Rock — The Musical)、『ウェイトレス』(Waitress)、『オン・ユア・フィート』(On Your Feet!)の4作のみになりました。寂しいですね・・。
でも、2016〜2017年シーズンにも、すでに話題の作品や「男性のシンシア・エリヴォのよう」といわれる俳優が出てきています。また追って紹介していきたいと思います。