2017年2月19日、ブロードウェイ『アラジン』の1つの時代が終わりました。開幕から3年間にわたってジーニー役を務めたジェームズ・モンロー・アイグルハートが最終公演を終え、次の場所へと旅立っていきました。
ジェームズ・モンロー・アイグルハートがオーディションでイチかバチかの大勝負の演技をしてこの役を掴んでから早6年。ブロードウェイのオリジナル・ジーニーは、ジェームズ・モンロー・アイグルハートが醸し出すチャーミングさと温かさによって愛すべきキャラクターに仕上がっていました。上手いとか、よかったとか、そういう次元を越えて、ただただ「このジーニーとお友達になりたい!」と思えるジーニーに出会えたことに心から感謝。
1週間前一足先にカンパニーを抜けたアダム・ジェイコブスも応援メッセージをツイートしていますが、普通の内容だったので、テンションが高くて面白いコートニー・リード(ジャスミン役)のツイート・インスタをピックアップ。「彼を迎えることができる『ハミルトン』は超ラッキーよ!彼をよろしくね!!!」とのことです。(本当にその通り。)
After 6 years I can’t believe I have to say goodbye twice in 2 weeks to my main men. I can’t… https://t.co/RmwuHdXRqr
— Courtney Reed (@RhodesReed) 2017年2月19日
明日からジーニーを務めるのはメジャー・アッタウェイ。数週間前にThe Viewというテレビ番組でお披露目を兼ねた特集があったのですが、この番組がとても面白いです。
ジェームズ・モンロー・アイグルハートが『アラジン』を去るというニュースを聞きつけた番組司会者のウーピー・ゴールドバーグ(Whoopi Goldberg)が、新ジーニーの座を狙って(?)劇場に乗り込みます。ジーニーの衣装&フルメイク姿で舞台に乱入し、本物のジーニー(ジェームズ・モンロー・アイグルハート)と競演。番組内限定の企画ですが、女性ジーニーの誕生でした。英語がわかる人は直接動画を見た方が絶対に面白いですが、ちょっとだけ紹介します。雰囲気が伝われば嬉しいです。
ウーピー:(本物のジーニーを見て)いなくなるんだと思ってた。だから私が来たのよ。今夜ここへ来てジーニーをやってって言われたの!なんであなたがいるのよ??
ジーニー:まだあと数週間はどこへも行かないんだけど・・。もうしばらくここにいる。あと4週間くらい残ってるから。
ウーピー:・・そ、そんなこと誰も教えてくれなかったわ!
(中略)
ウーピー:(観客に今日のドッキリについて)説明しなくちゃね。私は本当の次のジーニーではないけれど、ものすごーーーく次のジーニーになりたいの。
ジーニー:僕も是非ウーピーにやってほしいと思うけど、お願いだから今夜は僕にやらせてくれない?
(客席で誰かがノーと言う)
ジーニー:ノー?
その後もジーニーは必死でウーピーをなだめてなんとか退散させます。見てはいけないものを見てしまったアラジン(アダム・ジェイコブス)は少々困惑。
アラジン:さっ、さっきのはジーニーのお母さん??
ジーニー:そっ、そうだよ。ママ、ママ。
後日ゲストとしてスタジオに呼ばれたジェームズ・モンロー・アイグルハートが「ウーピーのジーニーもすごくよかったんだけど、キャスティングスタッフは別の道を選択したんだ」という前置きをし、そこへ本物の新ジーニー(メジャー・アッタウェイ)が登場するという展開でした。
ウーピーも面白いのですが、ジェームズ・モンロー・アイグルハートの “ジーニーな” 対応にひたすら感動。面白くて紳士的で夢と希望を与える人です。ディズニーにぴったり。「小さい女の子たちがジーニーをやりたいと言ってきたときに何と答えるのか?」というウーピーの質問に対するジェームズの答えがこちら。
Genie is a mythical creature. There is no reason why the Genie couldn’t be played by female, so I have little girls come up to me all the time saying, “I wanna play Genie,” and I say, “You can.”… I’m hoping that we get a lady on broadway to just snatch it.
ジーニーは架空の生き物。女性が演じることができない理由はない。だから、いつも小さい女の子たちが「ジーニーやりたい!」って言いにくると「できるよ」って答える。…いつか、ブロードウェイで女性がジーニー役を掴むことを期待している。
しかも、スタジオには新ジーニーのメジャー・アッタウェイも来ていたので、気遣いを忘れません。
not right now because I want you to do well
でも今はダメだよ。(メジャー・アッタウェイのほうを向いて)君に成功してほしいから
こちらの動画の3:15くらいから新旧ジーニーの共演が少しだけ見られます。