1ヵ月ぶりの『ビューティフル』観劇。大千穐楽。
ちょうど1ヵ月前に初日を水樹奈々さんバージョンで観劇後、なんとなく「うーん、こんなもんじゃない。もっと良くなるはず!」という気がしてチケットを買い足しました。
千秋楽。よかったです。感極まったり、はっちゃけ過ぎたアドリブを受け止めきれなかったりしているところもありませしたが、初日のような冷や冷や感は消え、よい雰囲気で進みました。キャロルは平原綾香さん。「あぁ、ハマってる」と素直に思いました。物語が進めば進むほどしっくりくるキャロル。器の大きさや覚悟がひしひしと伝わってきて、揺さぶられました。平原キャロルをはじめ、パワーアップしたキャストと客席の熱気で、帝国劇場の空気がいい具合に埋まってきた!!
思い返せば、初日の何とも言えない違和感は、一言でいうと帝国劇場を持て余している感じだったのかもしれません。客層的な違和感というよりも、劇場が大きすぎてスッカスカ。『ビューティフル』はキャストの人数的にも本来、小〜中規模劇場のほうが向いている作品。ブロードウェイの劇場の座席数は約1,000席、ウエストエンドの劇場の座席数は約1,200席でした。それを1,800席以上の帝国劇場で上演したのだから、ある意味当然のこと。でも、千秋楽はそんな「スカスカ感」がなくなっていて、大きな空間を包み込むような何かが生まれていました。
千秋楽のプリンシパルキャストの挨拶は、それぞれ個性があって、聞けてよかったと思うご挨拶ばかり。雰囲気だけですが、覚えている範囲で、書かないほうが良さそうなことは避けつつメモ。
剱幸さんはカンパニーのお母さんのようで。いつもはキャロルに言われる「言ってることの99%は間違ってるけど、1%は〜」の台詞をご自身でおっしゃってご挨拶。
武田真治さんは、この作品は作詞家と作曲家という裏方の役をプリンシパルキャストが演じ、スターの役をアンサンブルが演じるという珍しい構成だということに触れ、ミュージカル界には素晴らしいスターがこんなにもたくさんいることを感じていただけたら嬉しいとのこと。
ソニンさんは、この『ビューティフル』のような帝国劇場では珍しいタイプの作品を終えることができて、いつもとは違う達成感で満たされているとのこと。
伊礼彼方さんは、普段はあまり帝国劇場に立たないメンバー多く、スタッフも『ビューティフル』という作品を帝国劇場で上演するにあたり、新しいことに挑戦することに対してすごく前向きで、慣れないからこそ色々と融通が利いたとのこと。30〜40代の自分たちがミュージカル界をもっと色々な方向に盛り上げていきたいというようなこともおっしゃっていたと思います。
中川晃教さんは、しっかりした控えめなご挨拶を。
平原綾香さんの挨拶は公式の動画にアップされていますが、とにかくたくさん喋って伝えてくれました。コンサートなどをやっていらっしゃるので、トークはお手のもの。アンサンブルとスウィング全員を含めたキャストをフルネームですらすらと紹介。前日に千秋楽だった水樹奈々さんも忘れずに。(水樹さんは音響席にいらっしゃったようです。)オーケストラはもちろん、バックのスタッフや本国スタッフ(←個人的にはコレ大事)のことも。
そういえば、音楽監督の前嶋康明さんは初めての帝国劇場だったとか。おめでとうございます。前嶋さんといえば、『マンマ・ミーア!』日本初演のキーボードコンダクター。懐かしいな・・。『マンマ・ミーア!』日本初演は2002年だったから、もう15年も経つのか。
とても満足した『ビューティフル』千秋楽公演でしたが、やっぱり少〜しだけ飽きてしまうところがあり、そういうときは数日前に発表になった平原綾香さんの次回作『メリー・ポピンズ』を頭の片隅に思い浮かべながら「どんなメリー・ポピンズになるかなー」と考えていました。
そして、いろいろ考えた結果、平原さんのメリー・ポピンズは結構似合うんじゃないかという結論に至りました。濱田めぐみさんと平原綾香さんのダブルキャストは『ラブ・ネバー・ダイ』のクリスティーヌ役ぶり。『ラブ・ネバー・ダイ』のときは、正直どちらも「ん???」となりましたが、メリー・ポピンズ役に関していえば、平原さんは温かみと存在感があって、オーラが出せそうな人なので、キャラクターと雰囲気はハマる予感。これまでに見た海外キャストを思い浮かべても、どちらかというと濱田さんより平原さんのほうがイメージは近いです。だからこそ濱田さんがどう仕上がるかも興味深いので、多分両方観ると思います。
平原さん2作目のミュージカル『ビューティフル』はとてもよかったので、3作目の『メリー・ポピンズ』にも期待!