2017年トニー賞授賞式が終わりました。受賞結果とパフォーマンスについて勝手に反省会。
強いことはわかっていたけれど、ちょっと多すぎでは・・。ノミネートされていた9部門のうち助演男優賞、演出賞、照明賞の3部門を逃しただけで、6つも持って帰りましたね・・。
でも、主演男優賞のベン・プラットと助演女優賞のレイチェル・ベイ・ジョーンズに関しては、結果もスピーチもとてもよかった!レイチェル・ベイ・ジョーンズは、観た感触では絶対に行けると思っていたものの、シーズン後半にジェン・コレッラの猛プッシュがあったので、内心ヒヤヒヤでした。でも、レイチェル・ベイ・ジョーンズが無事持ち帰って安心しました。ほとんど休演せず、ステージドアにもほぼ欠かさず出てきてくれる。独特の雰囲気と魅力のある人。
パフォーマンスで潔く “Waving Through A Window” を選曲したのもよかったと思います。1曲切り出しても良く見える曲だし、何よりこの作品の宝であるベン・プラットを十分に見せられる。一つだけ残念だったのは、ベン・プラットが授賞式の数日前からヴォーカルレストで休演を要する状態でトニー賞授賞式の日を迎えてしまったこと。パフォーマンスはかなり抑えていましたが、抑えた中でも感動は変わらないんですよね・・。劇中で観たときもよかったし、これまでの映像で観たときもよかったけれど、トニー賞授賞式でのパフォーマンスは、特にベン・プラットを見ているのかエヴァンを見ているのかわからなくなって、とても切なかったです。あと、パフォーマンスの時も、受賞の時も、会場にいる人たちがベン・プラットに向けるまなざしがとても温かくて、なんだかちょっと泣けました。昨年の主演女優賞を受賞した親友のシンシア・エリヴォも立ち上がってましたね。
なんとなく、ベン・プラットは次回の契約更新時で『ディア・エヴァン・ハンセン』は卒業するような気がしますが、トニー賞授賞式の当日にはチケットの追加発売の連絡も入ってきたし、作品自体はしばらくは安泰なのかな。
今回、恐らくファンも関係者もいちばんがっかりしたと思われるのが『ナターシャ、ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』。12部門にノミネートされていながら、受賞できたのは装置デザイン賞と照明デザイン賞の2つだけ。編曲と衣装と振付を全部逃したのはかなり想定外でした。正直、装置デザイン賞と照明デザイン賞の2つで今後チケットを売っていくのは大変ですし、ジョシュ・グローバンの契約が切れた後は不安がますます大きくなりそうです・・。あと2つくらい獲れていたら「○部門受賞!」という宣伝も使えたんですけどね・・。
でも!授賞式のパフォーマンスは間違いなくプラスに働くと思います。授賞式でやった中ではいちばん盛り上がったパフォーマンスだったんじゃないかな。舞台上に座る観客を事前に募集して、会場の制約がある中でも客席一体型を再現。ジョシュ・グローバンをフィーチャーしつつ、キャスト全員のビッグナンバーもやって、みんなが見たいもの全力で見せてくれたという感じ。出し惜しみがなくて、本当に好感が持てました。
『カム・フロム・アウェイ』はクリストファー・アシュリーが演出賞を受賞!椅子とテーブルと小道具と12人のアンサンブルで本当によくできていました。無難に『ディア・エヴァン・ハンセン』かなと思っていましたが、投票者にちゃんと評価してもらえていて嬉しい!!受賞は1部門ですが、価値ある受賞だと思います。
パフォーマンスはオープニングナンバー “Welcome to the Rock” で無難な選択だったと思います。パフォーマンスの順番も最初だったのでちょうどよかった。 “Somewhere in the Middle of No Where” でもいいかなーと思いましたが、ちょっと後半過ぎますからね。ジェン・コレッラのソロに走らなかったのは、アンサンブル作品として正しい選択だったと思います。
『恋はデジャ・ブ』の受賞ゼロは予想どおり。問題はパフォーマンス。もう少しなんとかならなかったのでしょうか・・。『恋はデジャ・ブ』は1曲だけ切り出すのがとても難しいタイプの作品で、しかも主演のアンディ・カールにビッグナンバーが少ない。選曲しづらいのは承知していますが、なぜエンディング? “If I Had My Time Again” のような視聴者が観たくなるようなナンバーにしたほうがよかったのではないですかね。
最近は売上げも伸びてきたので、トニー賞のパフォーマンスはファンを増やすを最高の機会だったのですが、残念ながらイマイチ。「クローズ」という言葉がちらつき始めたかも・・。でも、腐ってもオリヴィエ賞作品賞です。クオリティは保証されていますから、観るべき。オススメです。
『ハロー・ドーリー!』はベット・ミドラーがパフォーマンスをしなかったこととスピーチで時間オーバーしたことが最も話題に。(笑)
『ミス・サイゴン』は選曲が好みではありませんでしたが、キム役のエヴァ・ノブルザダは映像で見ると自然でよいですね。
『バンドスタンド』はパフォーマンスに好印象を持った人が多いと思うので、売上げも好転しそう。
他にもいろいろある気がしますが、思い出したらまた追記します。