2017年ピューリッツァー賞の受賞者とファイナリストの発表がありました。公式サイトに結果が掲載されていますが、戯曲部門のみ抜粋すると以下の通り。
2017年ピューリッツァー賞戯曲部門受賞作品
Sweat, by Lynn Nottage
2017年ピューリッツァー賞戯曲部門ファイナリスト入り作品
A 24-Decade History of Popular Music, by Taylor Mac
The Wolves, by Sarah DeLappe
ピューリッツァー賞とは、新聞、雑誌、オンラインジャーナリズム、文学、作曲などの分野で顕著な功績を残した個人や新聞社等の組織に送られる米国で最も権威ある賞。米国コロンビア大学が主催しています。1917年に初めて設けられ、ちょうど100周年を迎えました。
ピューリッツァー賞にはいくつかの部門があり、その中の戯曲部門(Drama)ではミュージカル作品が選ばれることがありますが、2017年はミュージカル作品の受賞/ファイナリスト入りはなし。まあ、妥当です。
毎年何かしらのミュージカルが受賞するトニー賞とは異なり、ピューリッツァー賞を受賞するミュージカルはほんの一握り。受賞の間隔が10年以上あく場合もあります。最近だと2016年に『ハミルトン』が受賞、2014年に『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』がファイナリスト入り。ミュージカルから次の受賞作が出るまでにはあと5〜10年かかるかな・・。
ちなみに、ピューリッツァー賞の受賞作は上演されているすべての作品から選考されるわけではなく、エントリーした作品の中から選考されます。年度の区切りは毎年1月1日〜12月31日で、戯曲部門に応募できるのはアメリカ人のみ。また、年によっては受賞者なしという結果になることもあります。
for a distinguished play by an American author, preferably original in its source and dealing with American life.
http://www.pulitzer.org/page/drama-submission-guidelines-and-requirements
ピューリッツァー賞戯曲部門受賞ミュージカル作品
- 『ハミルトン』Hamilton, by Lin-Manuel Miranda (2016)
- 『ネクスト・トゥ・ノーマル』Next to Normal, by Tom Kitt and Brian Yorkey (2010)
- 『レント』Rent, by Jonathan Larson (1996)
- 『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ』Sunday in the Park With George, by Stephen Sondheim and James Lapine (1985)
- 『コーラスライン』A Chorus Line, by Michael Bennett, James Kirkwood, Jr., Marvin Hamlisch, Nicholas Dante and Edward Kleban (1976)
- 『ハウ・トゥー・サクシード』How To Succeed In Business Without Really Trying, by Frank Loesser and Abe Burrows (1962)
- 『フィオレロ!』Fiorello!, by Jerome Weidman, George Abbott, Jerry Bock and Sheldon Harnick (1960)
- 『南太平洋』South Pacific, by Richard Rodgers, Oscar Hammerstein II and Joshua Logan (1950)
- 『オブ・ジー・アイ・シング』Of Thee I Sing, by George S. Kaufman, Morrie Ryskind and Ira Gershwin (1932)
ピューリッツァー賞戯曲部門ファイナリスト入りミュージカル作品
※ファイナリストが発表されるようになったのは1983年からです。
- 『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』Fun Home, by Lisa Kron and Jeanine Tesori (2014)
- 『イン・ザ・ハイツ』In The Heights, by Lin-Manuel Miranda and Quiara Alegría Hudes (2009)
- 『ゴスペル・アット・コロナス』The Gospel at Colonus, by Lee Breuer and Bob Telson (1985)