『ファインディング・ネバーランド』の来日公演を東急シアターオーブで観劇。終わりよければすべてよし。不思議な作品でした。
『ファインディング・ネバーランド』は2014〜2015年ブロードウェイシーズン作の中では最速での日本上演。同じシーズンの作品には、2018年2月にシアタークリエでの上演が決定している『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』、2019年1月〜劇団四季による上演が決定している『パリのアメリカ人』などがあります。
ブロードウェイでは劇評やアワードに好かれず、トニー賞ではノミネートゼロという残念な結果に。家族連れなどが入る休暇の時期にはそこそこ売れていたようですが、ダメな時期は全くダメ・・。18ヵ月続いたブロードウェイ公演では投資回収できず、米国ツアー、そしてこれから予定されているロンドン公演での巻き返しを狙っている作品です。(来日公演はチケットの売れ行きが芳しくなかったようだけれど、多少の足しにはなったのかな・・?)
私自身、この作品はブロードウェイでの観劇はスキップしたので今回が初観劇。最近のブロードウェイは『ファンホーム』や『ディア・エヴァン・ハンセン』、『カム・フロム・アウェイ』のような今を生きる人たちを描いたものが流行る傾向があり、そういうものをよく観ているため『ファインディング・ネバーランド』のようなファンタジー系は久しぶりだった気がします。実際に観た感想としては、ブロードウェイの劇評に共感するところがありつつも、日本ではもう少し受け入れられそうだなと思った作品でした。大人へのメッセージもちゃんと入っています。
この作品、何が残念かというと、劇評でも散々言われていたのですが、同じような曲が続いて飽きてしまうのです。私が気になったのは1幕冒頭〜中盤。ストーリー展開もちょっと冴えなくて、「これ要る??」と思うシーンがチラホラ。まだ観終わってもいないのに、曲やシーンをどんどん忘れていってしまうという悲しさ。CDでしっかり予習・復習をしたり、何度も観ればまた違った見え方をするのかもしれませんが、とりあえず初見で1幕が終わった時点では「ちょっとイマイチだよね?」という感想でした。
ところが、2幕の途中くらいから急に盛り返す!ストーリー的にも舞台技術的にも見せ場の連続で、なんだかこの作品の魅力にがっしり掴まれたような気分に。「とてもいいな」と素直に思え、終演後は「なんか、途中からすごくよくなった!よかった!」という感想に変わっていました。
最後は、客席に座っている自分もただの傍観者ではなく物語の一部のような気がして結構充実。こういう2幕〜終盤で一気に盛り上げるタイプの作品って他にどんな作品がありましたっけ?思いっきり主観ですが、ミュージカルってどちらかというと1幕のほうが良くできていると感じる作品が多いと思っていたので、ちょっと戸惑ってしまいました。(笑)
2019年には石丸幹二さん主演で日本語版が上演されるようなので、また機会があったら観に行きたいと思います。