ブロードウェイには数々の演劇関係やミュージカル関係の賞があります。最も代表的なのはトニー賞。日本でも『トニー賞コンサート in TOKYO』をやるくらい有名になりました。でも今日はACCA賞というあまり聞き慣れない賞について。
ACCAとは米国俳優協会(AEA)のコーラス委員会(Advisory Committee on Chorus Affairs)のことで、ACCA賞とはシーズン中に開幕したブロードウェイ作品の中で最も優れたコーラスチーム(アンサンブル)に贈られる賞です。2006〜2007年シーズンに初めて設けられ、Legally Blonde『キューティ・ブロンド』が最初に受賞しました。
たくさんの賞が存在するブロードウェイでも、アンサンブルキャストに贈られる賞というのはほとんどありません。日本でもあまり聞いたことがなく、近そうなもので思いつくのは宝塚歌劇団年度賞の団体賞あたりでしょうか・・。
2006〜2007年シーズンのACCA賞にノミネートされたのは『キューティ・ブロンド』を含めて全部で5作。Curtains『カーテンズ』, Legally Blonde『キューティ・ブロンド』, Mary Poppins『メリーポピンズ』, The Pirate Queen『パイレート・クィーン』, The Times They Are A-Changin(邦題不明)の中から受賞したのが『キューティ・ブロンド』でした。『カーテンズ』と『メリーポピンズ』は『キューティ・ブロンド』がノミネートされなかったトニー賞作品賞にノミネートされていた作品。でもACCA賞は『キューティ・ブロンド』がそれらを押さえて受賞しました。
これまでのACCA賞の受賞歴は以下のとおり。トニー賞作品賞またはリバイバル作品賞が受賞している年もありますが、そうでない年も結構あります。
- 2007年:Legally Blonde『キューティ・ブロンド』
- 2008年:In the Height『イン・ザ・ハイツ』
- 2009年:West Side Story『ウェストサイド物語』
- 2010年:Fela!『フェラ!』
- 2011年:The Scottsboro Boys
- 2012年:Newsies
- 2013年:Pippin『ピピン』
- 2014年:Beautiful: The Carole King Musical『ビューティフル』
- 2015年:An American in Paris『巴里のアメリカ人』
- 2016年:Shuffle Along Or The Making of the Musical Sensation of 1921 and All That Followed
シアタークリエで上演される日本語版の『キューティ・ブロンド』は、ブロードウェイ版と比べるとアンサンブルの規模がかなり縮小されていますが、この作品はアンサンブルなしには成り立たない作品です。アンサンブルチームの活躍に期待。