2幕後半にジェナが歌うソロナンバーで、この作品の最大の見せ場です。iTunesでの単曲ダウンロード数は同作品の中でダントツの1位。ジェナ役のジェシー・ミューラーの表情豊かな歌声が光ります。また、作詞・作曲を手掛けたサラ・バレリスも同曲を収録したCDを出しています。トニー賞授賞式では、最初にサラ・バレリスが少し歌って、その後ジェシー・ミューラーが最後まで歌いました。
英語学習という観点からいうと、この曲はテンポがゆっくりでサビの単語が易しめです。サビの中には人を主語にして使うことができる形容詞と動詞がたくさん出てきますが、情感たっぷりなこの曲だと、意味がすんなり入ってくるかもしれません。
サビの部分があまり入っていないのが残念ですが、iTunesで視聴できます。1つ目がオリジナルブロードウェイキャスト版、2つ目が作詞・作曲のサラ・バレリス版です。
まずはタイトルに出てくるused to doという表現を確認します。used to doは「以前はよく〜した」「かつては常に〜していた」という意味で、「今と違って昔は」という時の対比のニュアンスが入るのが特徴です。
この曲で出てくるsheとは、昔のジェナ自身のことです。「彼女はああで、こうで・・」と振り返り、もうそんな彼女はどこかへ行ってしまったけれど、かつてはそれが私だったと歌うのです。かつてのジェナはどのような人だったのでしょうか?サビに出てくる形容詞と動詞でわかります。
まずは形容詞です。
imperfect 完璧でない、欠点がある
hard on oneself 自分につらく当たる
broken 絶望的な
messy 厄介な、ゴタゴタしている
kind 親切な、思いやりのある
lonely 孤独な
次に動詞です。
try 努力する
lie 嘘をつく
ask for help 助けを求める ※曲の中では否定形で「助けを求めない」と歌われます。
昔のジェナの姿が浮かんできましたか?
サビにはさらにこんな一節が出てきます。
She is all of this mixed up and baked in a beautiful pie.
こんなすべてが混ぜ合わさって見事なパイに焼き上がっている。
『ウェイトレス』の主人公であるジェナは、レストランで働くウェイトレスでパイ作りの才能があるという設定です。上記のような長所も短所も、混ぜ合わせたらbeautifulだと。素敵な歌詞ですね。
最後にその他の部分で出てくる表現を載せておきます。
reckless (形) 向こう見ずな
bruised (形) 傷ついた、あざのできた
toughen up (動) たくましくなる
get stuck (動) 行き詰まる、身動きが取れなくなる