アカデミー賞の受賞結果が発表になりました。歌曲賞にノミネートされていた『モアナと伝説の海』の “How Far I’ll Go” (邦題:どこまでも)は受賞はなりませんでしたが、授賞式でのパフォーマンスに大満足。
授賞式のパフォーマンスでは、作詞・作曲を担当したリン=マニュエル・ミランダが得意のラップでこの曲が歌われるシーンを紹介し、その後に英語版のモアナの声を担当したアウリイ・クラヴァーリョ(Auli’i Cravalho)さんがノミネート曲の “How Far I’ll Go” を歌いました。いつも通り素晴らしかったリン。そしてリンから大舞台を引き継いだアウリイ・クラヴァーリョさんが最高に輝いていました。ディズニーはすごい子を見つけてきた!!
アウリイ・クラヴァーリョ(Auli’i Cravalho)さん
アメリカで『モアナと伝説の海』の上映が始まる前日に16歳になったばかりです。ハワイ島で生まれた彼女ですが、オーディションを受けた当時はオアフ島の高校に通っていました。地元のチャリティーイベントに応募した彼女をオアフ島のキャスティングエージェントが見て、モアナのオーディションを受けるように勧めたのだそうです。ちなみに彼女の名前の日本語表記は「アウリィ」や「アウリー」と書かれることもありますが、「アウリイ」がハワイ語の発音に近いです。(最後の「イ」は「リ」とは別にかなりはっきりと発音します。)
ディズニーのアニメ映画で、実年齢や生い立ちがこんなにもぴったりのキャスティングって今までにあったでしょうか。授賞式のパフォーマンスを見て思いましたが、彼女はこの曲に必要なものすべてを持っている本当の「モアナ」です。故郷への愛、戸惑い、苦悩、希望、そして押さえられない冒険心・・。彼女が歌うとポリネシアの風が吹くのです。
パフォーマンスの途中、バックダンサーが持っていた旗がアウリイさんの頭を直撃してしまうのですが、まったく動じることなくすべて出し切っていました。すごい!たくましい。
『モアナと伝説の海』は今までのディズニープリンセス映画とはかなり趣向の異なる作品です。その中の一つとしてよく言われるのが「恋愛の話ではない」という点ですが、アウリイさんがこんなことを言っていて、とても考えさせられました。
The fact that there’s no love interests in Moana — it’s all about her — is very relatable. You don’t need another person to help you find yourself.
『モアナと伝説の海』には恋愛の要素がなく、すべてモアナ自身の話だということが共感を呼ぶ。自分探しは誰かに手伝ってもらってするものではない。
People, November 23, 2016
今回モアナに選ばれたことで彼女の人生はもう元には戻せないくらい変わったと思いますが、いつまでもハワイとハワイの文化を愛する彼女でいてほしいです。彼女の嫌味のなさはそういうところからきていると思うので・・。
HOW GREAT IS @auliicravalho. So proud of her. pic.twitter.com/ePh1DK13zu
— Lin-Manuel Miranda (@Lin_Manuel) 2017年2月27日
授賞式でアウリイさんに歌ってもらって、リンもとても嬉しそうでした。アウリイさんにはいつかミュージカルもやってほしいなぁ。